靴を脱いで上がると、お座敷があきましたからと下女が二階へ案内をした。 何だか大変小さく見えた。 その時勘太郎は逃げ路を失って、一生懸命に飛びかかってきた。 家屋敷はある人の周旋である金満家に譲った。 宿直はちょっと用達に出たと小使が教えた。 この英語の教師もうらなりばかり食ってるに違いない。 　兄とおれはかように分れたが、困ったのは清の行く先である。 これでたくさんだと思っていた。 茶代なんかやらなければよかった。 やがて、今のはただ希望である、あなたが希望通り出来ないのはよく知っているから心配しなくってもいいと云いながら笑った。 野蛮な所だ。 兵営も見た。 大変な遠くへ行かねばならぬ。 乗り込んでみるとマッチ箱のような汽車だ。