そう云うときまってるかいと主人は相変らず芝居気のない事を云う。 何でもいいから、そんなものは早くしまったら、よかろうと主人は叱りつけるように言い放ったので、三平君は 広くもない四角な板を狭苦しく四角に仕切って、目が眩むほどごたごたと黒白の石をならべる。 　長い煙をふうと世の中へ遠慮なく吹き出した寒月君は、やがて前同様の速度をもって談話をつづける。 罪人はいいですが十時にならないのには弱りました いいだろう。 また来たね。 どう云うものでしょうと寒月君が云う。 それ見たまえ、君が博士になるかならないかで、四方八方へ飛んだ影響が及んでくるよ。 いやもう二目とは見られないありさまさ…… しかしものは試しだ。 主張すべき個性もなく、あっても主張しないから、あれで済むのだが文明の民はたとい親子の間でもお互に我儘を張れるだけ張らなければ損になるから勢い両者の安全を保持するためには別居しなければならない。 薫風南より来って、殿閣微涼を生ず。 多妻主義じゃないですが、肉食論者です