その了解しかねる点に少しは恐しいと云う感じもあったが、今の話を聞いてから急に軽蔑したくなった。 先日来た時は朗読会で船頭になって女学生に笑われたといっていたよと主人は笑いながら云う。 私しは船頭へー、君が船頭君にして船頭が務まるものなら僕にも見番くらいはやれると云ったような語気を洩らす。 風邪を引くと、どなたでも御咳が出ますからね…… 擲つたびに球は落ちてくる。 巨人、引力何だいその巨人引力と云うのは巨人引力と云う題さ妙な題だな、僕には意味がわからんね引力と云う名を持っている巨人というつもりさ少し無理なつもりだが表題だからまず負けておくとしよう。 出来たかえ御師匠さんはやはり留守ではなかったのだ。 行きたかったが四時を過ぎちゃ、這入れないと云う細君の意見なんだから仕方がない、やめにしたさ。 池の端の待合の前で芸者が裾模様の春着をきて羽根をついていた。 この点については深く主人の恩を感謝すると同時にその活眼に対して敬服の意を表するに躊躇しないつもりである。 それからどうしましたと主人は無頓着に聞く。 この寒月という男はやはり主人の旧門下生であったそうだが、今では学校を卒業して、何でも主人より立派になっているという話しである。 なぜ四時までに行かなくては駄目なんだと聞き返すと、そのくらい早く行って場所をとらなくちゃ這入れないからですと鈴木の君代さんから教えられた通りを述べる。 レスター伯がエリザベス女皇をケニルウォースに招待致し候節も慥か孔雀を使用致し候様記憶致候。