EM35 幻の自動小銃―六四式小銃のすべて (光人社NF文庫)

もう晩飯の時刻だ。 何でも茶漬を三ぜん食ったようだ。 しかし出来損こなったら世の中に合わないで我慢するか、または世の中で合わせるまで辛抱するよりほかに道はなかろう 洋行をして印度洋を横断した人に君、魚の死ぬところを見た事がありますかと聞いて見るがいい、誰でもいいえと答えるに極っている。 もしボールが飛んだら表から廻って、御断りをして取らなければいかん。 重要な問題だからそう急には分らんさと例の肴をむしゃむしゃ食う。 目白の時の鐘と同一に見傚されては猫と生れた甲斐がない。 敵の計はなかなか巧妙と云うてよろしい。 物には両面がある、両端がある。 まるで化物に邂逅したようだ。 よほど大胆なる君子でなければこれほどの行動は取れんはずである。 古来から叙述に巧みなるものは皆この筆法を用いるのが通則になっている。 これは彼等が世間を瞞着するために製造した名でその実は正に逆上である。 西洋人の遣り口はみんなこれさ。