分らん事を言う奴だな。 これほどおやじが処置に窮しているとは夢にも知らず、楽しそうにご飯をたべる。 無論ただの商売じゃない。 御三はいっこう顧みる景色がない。 まあ出たまえ。 ねえ叔母さん叔母さんはそれどころではない、風呂敷包を解いて皿眼になって、盗難品を検べている。 なんぼ御金があったって―― すると客人は沓脱から敷台へ飛び上がって障子を開け放ってつかつか上り込んで来た。 もし浮華虚栄の念をもってこれに対する時はこれほど愚物を煽動する道具はない。 わが太刀に心を置けば、我太刀に心を取らるるなり。 叔父さんは、もう、どこへかいらしったの。 車夫が差出す大きな風呂敷包を下女に受け取らして、主人は悠然と茶の間へ這入って来る。 もし不道徳だなどと云えば僕の顔へ泥を塗ったものである。 向で落ちつき払って述べたてているところを、こっちでいろいろ反対するんだね。